前提知識
このチュートリアルを進める上では、以下4つの知識が必要になります。どれも基礎的な知識で大丈夫ですので安心してください。
1. HTML
Djangoは「Webフレームワーク」ですので、ウェブ上に表示するページをたくさん作ることになります。そのページを作るのに使われるのがHTMLという言語です。
HTMLはHyper Text Markup Languageの略で、Webページを作る時に利用される言語です。HTMLによってWebページに文字を表示することができます。 たった今あなたが読んでいるこの文章も、HTMLによって書かれています!
今回作るウェブページは非常に簡単なものですので<h1>
、<p>
、<a>
タグなど基礎的なものが理解できれば十分です!
HTMLを全く触ったことがない人は、オンライン学習サイトや参考書で、ある程度の知識を身につけておきましょう。
2. CSS
CSSはCascading Style Sheetsのことで、HTMLで表示された文字をデザインするものです。文字の大きさや色を変えたりするために使われます。
CSSはデザインをする言語ですので、極論を言えばなくても大丈夫なものです。ただ、ウェブサイトを作る上で基礎的なデザインの知識は非常に重要となりますので、HTMLと一緒に一通りの知識は学習しておいて下さい。
3. Python
DjangoはPythonをベースに作られたWebフレームワークですので、Djangoのコードを書くときは基本的にPythonの文法に従って書いていくことになります。
Pythonは世界的に非常に高い人気を誇るプログラミング言語で、機械学習や自然言語処理、数値計算など最近注目を集める分野でも大活躍する言語です。もちろん、Web系の分野にも強く、誰もが知っている有名なウェブサービスもDjangoで書かれていたりします。シンプルな文法で学習しやすいので、プログラミング入門者の初学言語としてもよく利用されます。
このチュートリアルを進める上では、Pythonの知識が必須となりますが、特別な難しい知識は必要ありません。入門書のレベルが身についていれば問題ありません。if文、for文、リスト、def文(関数)、オブジェクト指向(クラスやメソッド)についての知識があれば大丈夫です。Pythonの基礎知識について、こちらの記事( 【Python】オブジェクト指向を理解するための超重要ワードまとめ )でまとめましたので事前に復習しておくと良いと思います。
4. コマンドライン
コマンドラインはプログラミングをする上では必須の知識です。
みなさんが普段パソコンを使う時は、マウスで矢印を動かして、クリックすることで指定のディレクトリ(フォルダ)や、ブラウザを開いていますよね?コマンドラインは、こういった操作を文字列を入力することによってできるものなんです。
キーボードで文字列を入力することでコンピュータに直接指示を出せるというものです。
いちいち文字を入力するよりマウスで操作した方が楽だろう!と、思われるかもしれませんが、コマンドラインを使うことでコンピュータに対してより複雑な指示を出すことができます。
コマンドラインに関しても、難しい知識は必要ありませんが、プログラミングを始めたばかりの人にとっては中々わかりにくいものですので、実際に動かしながら説明していきたいと思います。
Mac OS の場合
「ターミナル」というアプリケーションを起動します。
Finder > アプリケーション > ユーティリティ > ターミナル
ターミナルの起動はできましたか?
うまく起動できていたら、真っ白または真っ黒の画面が出てきていると思います。
画面には$(ドルマーク)が表示されていると思いますが、このマークの後ろに文字列(コマンド)を入力していくことで、コンピュータを操作します。
$の前に色々文字が表示されているかもしれませんが、この部分は個人ごとの設定よって変わるものですので、このチュートリアルでは$のみを表記します。
それでは、さっそく初めてのコマンドを打ってみましょう!
$の後ろにpwd
と入力し、Enterを押してください。
ターミナル
$ pwd
/Users/user_name
このような文字が表示されましたか?user_nameのところはあなたのユーザー名になっているかもしれませんし、もしかしたらちょっと違う文字が表示されているかもしれません。
pwd
というのはPrint Working Directory
の略で、現在作業しているディレクトリ(カレントディレクトリ)を表示してくれるコマンドです。
次に、ls
というコマンドを打ちます。これはlist
の略で、カレントディレクトリの中に保存されているディレクトリを一覧として表示するコマンドです。
/Users/user_name
$ ls
Applications Music
Desktop Pictures
Documents Projects
Downloads Public
Library
Movies
このようにたくさんのディレクトリがリストとして表示されます。もちろん、保存されているディレクトリは人によって違うので完全に一致していなくても大丈夫です。
今度は、いま表示したリストの中にある「Desktop」ディレクトリに移動してみましょう。移動したい時はcd
コマンド(Change Directory
)を使います。
/Users/user_name
$ cd desktop
これで「Desktop」ディレクトリに移動できているはずなので、pwd
コマンドで確認します。
/Users/user_name/Desktop
$ pwd
/Users/user_name/Desktop
カレントディレクトリが「desktop」になっていますね!このように表示されれば成功です。
ちなみに、cd ..
というコマンドで一つ上の階層のディレクトリに移動することができます。..
は、一つ上の階層を表すもので、cd ../..
と書けば、2つ上の階層まで移動できます。
/Users/user_name/desktop
$ cd ..
$ pwd
/Users/user_name
ここまで、ディレクトリの表示や移動に関するコマンドを紹介しました。
続いては、ディレクトリを新たに作成するためのコマンドです。新しいディレクトリをデスクトップに作ってみましょう。
まずは、cd
コマンドでdesktopディレクトリに移動します。
/Users/user_name
$ cd desktop
$ pwd
/Users/user_name/Desktop
デスクトップに移動できたら、mkdir
コマンドを使って「DjangoBros」という名前のディレクトリを作ってみます。mkdir
は、Make Directory
のことで新しいディレクトリを作成するコマンドです。
/Users/user_name/desktop
$ mkdir DjangoBros
これでデスクトップに、「DjangoBros」というディレクトリが作成されました。自分のデスクトップを見て確認してみましょう。
もちろん、lsコマンドでも確認できます。
/Users/user_name/desktop
$ ls
DjangoBros
次は、このディレクトリの中にhtmlファイルを作って見ましょう。ファイルを作るコマンドはtouch
です。cdコマンドで「DjangoBros」ディレクトリに移動してから、ファイルを作ります。
/Users/user_name/desktop
$ cd DjangoBros
$ touch sample.html
touchコマンドで「sample.html」というhtmlファイルを作ることができました。cssファイルや、pythonファイルを作るときもtouchコマンドを使います。
これで基本的なコマンドの紹介は終わりです。最後に、今回作ったディレクトリは練習用ですので一旦削除しておきましょう。rm -r
コマンドを使えばディレクトリを削除することができます。ファイルを削除したいときはrm
コマンドです。
削除するディレクトリの1つ上の階層(Desktop)まで移動してrm -r
コマンドを打ってください。
/Users/user_name/desktop
$ rm -r DjangoBros
お疲れさまでした!前提知識についての説明は、これで終了です。
次のレッスンでは、ここで学習した知識も使いながらDjangoを使う準備を整えます。